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SVO構文 “I like music.

今回は、”I like music.”から始める練習です。

 

● She

  She likes music.

(“I”が”She”に変わるので”like”は三人称単数現在”likes”に。)

 

● K-pop

  She likes K-pop music. (形容詞としてmusicの前に入る)

 

● listen to

  She likes listening to K-pop music.(ingをつけてlikeの後に入れる)

 

● in your class

  The student in your class likes listening to K-pop music.

 

● on weekends

  The student in your class likes listening to K-pop music on weekends.

 

● at the seaside park

  The student in your class likes listening to K-pop music at the seaside park on weekends.

 

● with long hair

  The student with long hair in your class likes listening to K-pop music at the seaside park on weekends.

 

 

※ PDFはこちらからダウンロードできます。↓

 

英語学習を支援する『Microsoft イマーシブリーダー』の使い方

JALTCALL – JALTCALL special interest group

JALT(全国語学教育学会)の研究部会の一つ『コンピューター利用語学学習研究部会』(JALTCALL SIG)の大会に参加してきました。

一番聞きたかったのがAlex Burke先生の “Using immersive reader and other text-to-speech tools to bring text to life for readers of all levels” です。

“immersive reader”は「イマーシブリーダー」と読みます。Microsoft Edgeに標準搭載されているそうなので、WindowsのPCを持っていれば、すぐにでも使えるツールです!

Windows 11、日本語のブラウザで、どのように使うか試してみました。

まず、英語のサイトを開いてみます。ここでは、NHK World Englishを使ってみました。

immersive readerを使って読みたい部分を選択し、右クリックします。すると、ボックスがポップアップで表示されるので、「イマーシブリーダーで選択範囲を開く」を選択します。

下の画像のように、画面が変わります。右上に「音声で読み上げる」、「テキストのユーザー設定」、「文章校正ツール」、「読み取りの設定」と表示されます。

・「音声で読み上げる」をクリック → そのまま読み上げてくれます。

・「テキストのユーザー設定」をクリック → フォント、文字の大きさ、文字間隔などを変更することができます。

・「文章校正ツール」をクリック → 「音節」の右のボタンをクリック → 英文が音節単位で区切られて表示されます!

↑ これが英語を読む学習にとても効果的なんです!この状態で「音声を読み上げる」をクリックし、流れてくる音声を聞いてみたり、シャドーイングしてみたりすると、とてもいい練習になります!

ぜひ試してみてください!

アンケートでいじめを予防する取り組み

写真はイメージです(©写真AC

 

学校でのいじめを予防するために、生徒へのアンケート調査を工夫をするという研究を見つけたのでご紹介します。

 

中村孝(2022年)「いじめ予防のための能力・環境尺度作成の試み」

 

一般に、学校で起こるいじめについて、先生が生徒を観察することで見つけることは非常に難しく、アンケート調査で分かることが多いと言われています。本人や保護者が直接訴えてくることもあるようですが、アンケート調査で分かる数の方が多いようです。

 

ただし、アンケート調査で分かるいじめは「既に起こっているいじめ」になります。この研究では、アンケート調査を実施することで、現在もしくは過去のいじめを発見するだけでなく、これから起こり得るいじめを未然に防ぐために、質問項目を工夫することにしたようです。

 

【いじめ予防の能力や環境について調べるための質問】
◆教師サポート
・先生は気持ちを良く分かってくれる
・先生はいじめの解決のために力になると思う
・先生は相談しやすい
・先生はいじめる子の話もしっかり聴いてくれる
・先生はいじめなどをしっかり注意してくれる
・先生は秘密を守ってくれる

◆友人サポート
・自分の気持ちを分かってくれる友だちがいる
・困った時に相談に乗ってくれる友だちがいる
・自分を裏切らない友だちがいる
・笑顔であいさつしてくれる友だちがたくさんいる

◆いじめ対処能力
・いじめる人に何でするのか理由を尋ねられる
・いじめを見かけたら止めるように言える
・いじめを見かけたら先生に伝えることができる
・いじめを見かけたら別の事に注意が向くようにできる
・いじめる理由を聞いて、どうしたらいじめられないですむか一緒に考えられる
・自分の意見を言うことができる

◆価値
・いじめを見て何もしないことはいけないと思う
・親や教師に対して尊敬と感謝の気持ちをもっている
・間違いは素直に認められる
・時と場をわきまえて礼儀正しく真心をもって人と関われる

 

この研究は、実際にこの質問内容でいじめを予防することができたかどうかまでは触れられていません。2022年に発表された内容なので、今、効果を確認している最中かもしれませんね。

 

アンケート調査であれば定期的に何度でも実施できますので、少しでもいじめ予防に効果があるといいですね。

先生が「いじめを許さない」と生徒にはっきり伝えることが大切

写真はイメージです(©写真AC

今回ご紹介するいじめ防止プログラムはこちらです。

中村玲子・越川房子(2014)『中学校におけるいじめ抑止を目的とした心理教育的プログラムの開発とその効果の検討』

 

対象:中学生

実施者:担任、臨床心理士2名

期間:授業1回

方法:
①心理教育(5~10分) → 各担任が実施。
 内容:「いじめを許さない学校づくりの重要性」、「いかなるいじめも絶対に許されるべきではない」
②SSTの技法を取り入れたロールプレイ(25分) → 臨床心理士が実施。
 生徒への事前アンケートにより、無視・悪口・バイ菌扱い等の場面を設定し、
その場に自分がいたらとることができる行動について用紙に記入、ホワイトボードに書き出して発表。
 ※全生徒ではなく学級委員がロールプレイ(事前練習あり)

結果(生徒が用紙に書いた内容を分類):
①いじめにどう対応するか(『いじめに対する自己効力感』)
 ・いじめ介入行動
→ 「支持行動」(なぐさめる、そばにいる)、「仲裁行動」(やめるように言う)、「報告行動」(先生に言う)などの傾向が見られた。
 ・いじめ助長行動
→ 「観衆行動」(おもしろがる、はやしたてる)、「傍観行動」「何もしない」「見て見ぬふり」、「同調行動」(仲間はずれにされている人にかかわらない)などが確認された。
②いじめ加害傾向
 ・具体的ないじめ場面といじめの理由を提示し、自分ならいじめに加わるかどうか4段階で回答。
→ 「制裁型」(こらしめたい、自分たちが何度も困らされた)、「享楽型」(反応が楽しい、すっきりする)、「異質性排除型」(叱られているから、動作が遅いから)
③いじめ否定規範
 具体的ないじめの場面(「みんなで無視する」「人の持ち物に悪意のある落書きをする」について7段階で評価。
→ プログラム実施により改善が見られた。

 

この研究では、いじめのロールプレイよりも、教員がいじめを許さない姿勢を持ち、それを生徒に言葉で伝えることが大切ということが分かったそうです。

授業一回ではあまり効果がないのではないかと思いましたが、少なくとも実施直後には生徒たちの意識の変化が見られたようです。

できれば、数か月後、数年後と調査を続けてみて、一回の実施だけで十分なのか、定期的な実施(年一回など)が必要なのか、明らかにできたら良かったようにも思います。

イギリスの探究:Practical Investigation

写真はイメージです(©写真AC

前回、プロジェクト型学習(PBL)についてご紹介しましたが、香川大学の笠先生が2020年に発表された論文では、イギリスでは中等科学教育では “Investigation” という活動を取り入れていることが紹介されています。

 

“Investigation” は日本語で「調査」とか「捜査」という意味です。

 

イギリスでは、1970年代に、学校における科学の活動について大規模な調査が実施されていますが、その時点で「記号表現の使用」、「装置と測定機器の使用」、「観察の課題」、「解釈と応用」だけでなく、「Investigations の設計」、「Investigations の実行」も評価対象に加えていたようです。

 

この時、”Investigation” について「生徒が自分では直ちに答えも答えにいたるルーチン的な方法もわからない課題に取り組む」活動と定義されているそうです。まさに、今、日本の子どもたちが取り組む探究活動ですね。

 

この “Investigation” で大切なのは、課題を設定する際に、「探究される問題ははるかにささやかで,生徒がその時点で把握できる範囲のものである必要がある」という点に留意することのようです。

 

これは、大学で卒業論文などの研究テーマを設定する時にも気を付けなければならないことですね。

 

子どもたちに関心のあるテーマを聞くと、たとえば「プラスチックごみ問題」とか「ネットいじめ問題」など壮大なテーマをあげてきます。社会問題に関心があるのは素晴らしいことですが、限られた時間と予算でできることではありません。

 

限られた期限(数か月から数年)で完了できること、あまり予算をかけなくてもできることに研究テーマを絞り込む必要があります。この作業には手間がかかるので、大人の支援が必要です。

 

今の日本の教育環境では、先生たちが忙しすぎること、一人の先生が担当する生徒数が多すぎることなどで、子どもたちの探究活動に十分な時間をかけることができないのではないでしょうか。

 

先生がゆとりをもって指導できる体制を整えることが本当に大切だと思います。

 

笠潤平(2020)探究活動の定義と探究活動に至る授業の設計について

インクルーシブな教育を実現できる探究学習

写真はイメージです(©写真AC

日本で学校に馴染めなかったお子さんが、家族の転勤で海外の学校に入ることになった時、日本のように全員が同じ教科書を使うのではなく、そのお子さんは虫が好きだったので、ひたすら虫に関する本を読んでもいいと言われていたそうです。

 

どうも、好きな虫に絡めて、先生が国語(この場合は英語ですね)や数学、理科など、教科学習にうまく結びつけてくれていたようで、苦手な数学はもちろん、英語の読み書きにも不自由しなくなったのだとか。

 

この話を聞いて、「この教育方法は一体なんというのだろう?」とずっと考えていました。数年前に『プロジェクト型学習』(PBL:Project-Based Learning)について学ぶ機会があり、「あれはきっとPBLだったのではないか」と考えるようになりました。

 

PBLは日本でいう探究学習と考えて大丈夫です。日本でも自由研究のように子どもが主体的に学問的な追究をする機会はありますが、自由研究がほぼ放ったらかしであるのに対し、PBLは綿密な計画を元に、先生のきめ細やかな指導が入ることが多いようです。

 

学習指導要領が改訂されて、探究学習が義務付けられましたが、学校によって取り組み方が全く異なるようです。一部の学校では近隣の大学や地域社会の協力を得て、実践的な素晴らしい取り組みがなされていますが、中には生徒個人に何か探究をするように伝えるだけで、従来の自由研究のような扱いにとどまっているところもあります。

 

海外でもPBLを導入する全ての学校で成功しているかというと、決してそうではないようですが、PBLがうまく機能している学校ではPBLなしの学習指導はあり得ないと考えるところもあるようです。

 

たとえば、こちらの記事 “Project Based Learning for Special Education and Inclusion” では、学習内容が保持される(Content Retention)、深く理解できるようになる(Deeper Understanding)、多感覚の指導が可能になる(Multi-Sensory Instruction)、協力し合うことや協働することを教えられる(Cooperation and Collaboration)、紙ベースのテスト以外の方法で生徒を評価できる、などの利点が説明されています。

 

何よりも子どもたちの学習意欲が高まる(Student Engagement)のがいいようです。

日本では、教科学習の枠外で探究学習が行われますが、海外では教科学習の一環としてPBLが行われる場合もあります。勉強が苦手だったり、一斉授業の抵抗感のあるお子さんには、教科学習を探究的に学ぶ工夫ができるといいかもしれません。

書籍レビュー『ちゃんと泣ける子に育てよう』

発達に課題があってもなくても、子どもは癇癪を起して暴れまわったり、泣きわめいたりするものです。親にとっては本当に大変な時間ですよね。

特に発達に課題があると、自傷行為や他傷行為を起こしてしまうこともあります。

子どもには感情のコントロールはできません。いや、大人になっても感情のコントロールはなかなか難しいものです。

人は自分の感情はコントロールできなくても、他人には感情をコントロールしてほしいと思ってしまうもの。自分は怒りを爆発させながら、子どもには感情のコントロールを求めて怒鳴りつけてしまう。管理人にもそういう経験が数えきれないほどあります。

『ちゃんと泣ける子に育てよう』の著者、大河原氏は、ネガティブな感情をしっかりと感じさせることが大切だと指摘します。決して否定したり、ポジティブな感情を無理やり押し付けてはいけないと。

子どもは、自分が今感じている激しく突き上がってくる感情が何なのか、説明することができません。何かイヤなこと、到底受け入れがたいことが起こったのは確かなのですが、その状況に対して自分がどんな気持ちを持っているのか、「悲しい」のか、「寂しい」のか、「悔しい」のか、「怖い」のか、言葉で説明することはできません。

ですので、まず大切なのは、今感じている感情に名前があることを、大人が落ち着いて教えてあげることなんです。「あら、悔しいんだね。悔しくて涙が出たね」などと、子どもが感じている感情を大人が代弁してあげることを繰り返すと、子どもは次第に「悔しい」という感情を学んでいきます。そしていずれは泣きわめくのではなく、「そういうことがあると(自分は)悔しい」と言葉で表現できるようになるのです。

子どもがネガティブな感情を全身全霊で感じることを拒否し続けると、本当は悲しかったり悔しかったりするのに、子どもは「それを表に出すことは悪いことだ」と学習してしまい、本当の気持ちを押し殺すようになってしまいます。

ですが、ネガティブな感情は非常にエネルギーが強いもの。押し殺したからといって消えてなくなることはありません。次第に積み重なっていき、思いもよらぬところで爆発してしまうのです。

普段とても穏やかな人が突然キレたり、明るく感じがよく見える人が凶悪犯罪を犯したりするのは、ネガティブな感情の存在を否定し、適切に処理されないまま、心の中でくすぶっていった結果と考えられているようです。

子どもがパニックを起こしてしまうと、親はどうしても周りに気を遣い、居たたまれない気持ちになってしまいます。とても苦しい時間ですよね。でも、「今は感情を適切に言語化できるようになるための学習時間」と考えると、少しは楽になれるかもしれません。

感情をコントロールできない子どもに悩む親の気持ちを楽にしてくれる本です。ぜひ手に取って読んでみてください。

大河原 美以(2006)『ちゃんと泣ける子に育てよう